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2013年1月30日

第20話 コンピューターが0と1で動いてるってどういうこと? - 2進法


 『(ハル)』という好きな映画があるんですが、ご存じですか?森田芳光監督作品。主演は深津絵里と内野聖陽。「パソコン通信」で少しずつ心を通じ合っていく恋愛ストーリーで、1996年の作品です。
 1996年なんて、つい最近のようにも思えますが、あれから携帯記憶媒体はFD(1.44MB)からUSBメモリ(128GBのものもある。9万倍以上!)に進化し、コミュニケーションツールとしてもごく限られた人間が使っていたのものが、一般的になり、「コンピューター」が日常生活に欠かせない時代となりました。

 そんなコンピューターは「0と1で動いている」...ということは、詳しくない人でもなんとなく知ってるんじゃないでしょうか?
 そこからもう一歩だけ踏み込んで、「0と1で動いてるってどういうこと?」って聞かれたときに「それはね...」とザックリ返せるようになるためのはなしをしたいと思います。
 それと、オマケに「天才数学者ライプニッツ」や、「当たるも八卦当たらぬも八卦」の易占いと2進法の関係のはなしも。

(記事後半につづく...)

(※ クリックで画像拡大します。)
2進法_01

2進法_02
(※ クリックで画像拡大します。)

 「0と1で動いてるってどういうこと?」って聞かれたら、その返答のキーワードは「コンピューターの指は2本」です。
 コンピューターは電気で動くシステムなので、複雑な処理をしていても最小単位としては、電流が「流れる=1」と「流れない=0」を区別して動いてます。つまり膨大な「ON!OFF!ON!OFF!」を繰り返すことでさまざまなプログラムが動いている。人間が、自分の指が10本という理由で、10進法を使っているように、もしコンピューターという生物に指があったとしたら、それは2本で、「0」と「1」だけを使って計算するのが一番能力を発揮できるのである。
 これで「へぇ」を出なかったら諦めましょう。

 「犬は哺乳類である」かつ「チワワは犬である」、ならば「チワワは哺乳類である」。
 これは「論理的思考」の単純な例ですが、17世紀の天才数学者ライプニッツは<計算機>でこのような「論理的思考」もできるのではないかと考えました。
 「計算」する道具である<計算機>で「論理的思考」もやれんじゃない?
 これがコンピューターが生まれる歴史の最初の最初です。それから時が流れ、我々が今使ってる構造のコンピューターが誕生したのは1949年ですが、アイデアのスタート地点はライプニッツの頭脳です。
 この発想を発展させてコンピュータ理論の基礎を築いたのが数学者ブールです。
 その考えとは、かんたんに言えば、真=「1」、偽=「0」と対応させることによって、0と1で論理的計算ができるということです。
 どういうことかというと、たとえば、
 「犬は哺乳類である(真)」×「チワワは犬である(真)」→「チワワは哺乳類である(?)」
 これを数字に変換すると、
 1×1=1
 つまり、
 1×1の計算によって「チワワは哺乳類である(真)」という論理的な結論を出せるのです。
 違う例でも見てみると、
 「犬は魚類である(偽)」×「チワワは犬である(真)」→「チワワは魚類である(?)」
 これを数字に変換すると、
 0×1=0
 つまり、
 「チワワは魚類である(偽)」と結論がでるように、0と1の計算で論理的な計算ができるんです。
 例に出したのは論理計算のいわば最小単位ですが、コンピューターの内部には膨大な0と1のスイッチが入っていて(最新のインテル® Core™ i7 プロセッサーには7億7400万個ある)、それらを複雑に組み合わされて、コンピューターの性能が発揮されているのです。


 
 今でこそコンピュータ社会を支える2進法ですが、天才の発想は当時は理解されず、ライプニッツは熱心に主張するも、あまり相手にされなかったようです。
 なぜ、ライプニッツは2進法に夢中になったか。2進法は0と1だけですべての数をあらわすことができます。彼にとってそれは、神(1)が虚無(0)からすべてを創り出す象徴に思えたのです。

 「当たるも八卦当たらぬも八卦」の「易占い」も実は2進法と関係があります。
 易占いは『易経』の教えを元にしています。『易経』とは古代中国の哲学と森羅万象の法則をしめした書物です。
 陰(0)と陽(1)を基本として、これらが交わって八卦(はっけ)となり、さらに交わり六十四卦となり、そうして複雑に構成された宇宙を形成しているというのが易経の教えだそうです。
 細い竹の棒をたくさん使って占うアレ、何をどうやってるのかよくわからないけど、あれは50本の竹を無作為にチョイスして、1~8(=23)の数字を選んでるのです。2進法に大きく関係してるんですね。占いなんて、コンピュータと真逆の存在のようにも思えますけど。

 神と虚無。陰と陽。生と死。光と闇。
 二つの符号が元となり、この宇宙を創っている。そんな考えを象徴している2進法が、今はコンピューターを動かしている。
 人類が10本の指でモタモタしているあいだに、コンピューターはもう一つの世界をどんどん拡大させて、いつか逆転の時が来るかもしれません。



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