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2011年11月14日

第1話 35億人の名前が書かれたのれん


第1章 式の計算
 1 多項式の加法と減法
 2 多項式の乗法
 

「第1話 35億人の名前が書かれたのれん」


数学Ⅰ+Aのしょっぱなは、「1 多項式の加法と減法」、「2 多項式の乗法」を学ぶことから
始まります。
私たちはここで、一体何を学ぶのでしょうか。

「多項式の~」と言われても、いまいちピンときません。
数学から遠く離れている人は以下のような文章を読むだけで頭が痛くなってくると思いますが、
3、x、5ab²...のように数と文字を掛けただけで作られる式を単項式
4+b+2ab³x のように単項式を足して作られたものを多項式と言います。
掛けた文字の個数をその単項式の次数といい、多項式の各項の中で一番高い次数をその多項式の次数と言い、次数がnの多項式をn次式と言います。

つまり、この第1節・第2節は、「文字を含んだ式の、基本的な名称や計算のルールを学ぼう。そして慣れよう。」といった内容です。

では、どうして文字を含んだ式なんてやらなきゃならないのか?


(記事後半につづく...)

(※ クリックで画像拡大します。)
多項式の加法と減法_01

多項式の加法と減法_02
(※ クリックで画像拡大します。)

たとえば「2ab²x³+7aby²=4y」というような文字が入った式が頻繁に出てくるようになってから、数学ギライが加速していったという人はたくさんいると思います。気持ちはよくわかります。
それは「底辺2cm、高さ3cmの三角形の面積はいくらでしょう?→2×3÷2=3cm²」というような具体的に意味のわかることをやってるうちはいいのですが、
「P=-3x²+2x+6、Q=4x²-5x+1 の時、2P-3(Q+3P)を計算せよ」とただ言われても、一体何を、何のために計算しているのか、どんどん意味は曖昧になり、具体性が失われていくにつれて興味がそがれていっても仕方ありません。
しかーし、この具体性がなくなる、つまり抽象的に扱えることが、文字を使うことの最大の理由です。

楳図形子の友だち・法子ちゃんの歴代カレシの名前は、小林君、岩崎君、モモチョイ、平井君、松田君ですが、もし世の中にこのような固有名詞しか存在せず、全てに共通する「男」という言葉や、「彼ら」という代名詞がなければ、どんだけ不都合かは容易に想像できます。
それと同様に、1、2、3...という具体的な数字に「代名詞」として文字を置き換え計算するのが、いわゆる代数学です。
代名詞の算術

銭湯ののれんに約35億人の名前を書く必要なく、「男湯」と2文字で済む。
同様に、三角形の底辺をa、高さをh、面積をSとしてやれば、S=1/2ahと書くことができ、無数に存在する全ての三角形が持つ性質をたったこれだけで表すことができマス。
さらに、こういった式に具体的な数を代入せずに、文字式のまま計算し、変形をした結果、新たな式が生まれれば、それもまた普遍性を持った公式として扱うことができるのです。

代数学は数学の中でも最も重要であるといっても過言ではない分野です。
その歴史は人類の文明の歴史と同じぐらい長く、一般的な問題を扱うことができるといったメリットを持ったこの代数学という武器をゲットして、人類の論理的思考はレベルアップを続けてきました。
現代の科学や工学においても応用されています。
将来ガッツリ理系の職業につかずとも、論理的思考を手に入れる重要な訓練だと思えば、数学Ⅰ+A学習のベストなスタートが切れるんじゃないでしょうか。



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